https://www.kikikomi.info/kawabata-yasunari-yukiguni-boutou-yoruno-soko 川端康成「雪国」の簡単なあらすじをご紹介します。物語は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という有名なフレーズから始まります。十二月、島村は雪国に向かって汽車に乗っていました。彼は自由気ままな生活を送っています。 「夜の底」という表現が独特で、こころに残る感じがするけれど、同じくらいこころに残る類似表現に町屋良平『青が破れる』で用いられていた「夜のした」という表現があります。あと『青が破れる』の「破れる」って近未来的な表現だと思うのですよ。日本語では現在形と未来形を区別しないけれども、この破れるは「もう少しで破れそう」って言ってるんじゃないか。「夜の底が白くなった」というのは何となく詩的な表現だと感じる人は少なくないと思うけれど、言葉をよく吟味すれば、つくづく「夜」に「底」という言葉が組み合わさるのは変なことが分かります(変だから詩的な感じがあるんだろうけど)。小説を書きます。コミュニティスペースと民泊の運営をしています。ブログのテーマは「人間と人間の関係、人間と場所の関係が作り出すもの」です。「テーブルのした」とか「軒のした」みたいに、比較的近くに自分を覆う何かがあるときに「した」を使うと思うけど、それを「夜」に転用している。どちらかというとこの「夜のした」という表現の方が僕にとっては衝撃的であり、言うなればこの「夜のした」という表現を見て『雪国』の「夜の底」という表現を思い出したくらいにして、つまりここでは、「夜のした」という表現の効果を探るために、文豪川端の「夜の底」という表現を引き合いに出して考えたいというのが大きな目標となります。しかも「夜のしたに繰り出した」というような表現ではなく、「なんちゃらー。」って文章があって「夜のした。」と脚本の場面転換のようにそっと書かれるのが『青が破れる』におけるこの表現の目立ったところだと思います。川端は島村を「(後に出てくる)駒子の鏡」みたいな存在なんじゃない?って言ってるようですが、容器(境界線)の印象、そして鏡面の印象が最初にふんだんに詰め込まれている。底と言いたくなるのは、たとえばバケツの底とかコップの底とか、もしくはプールの底、海の底など、なんとなく液体を溜めることができる容器に使うケースが多いような気がしませんか。「夜の底にわだかまり」とか「夜の底に落ち込んで」とか言えばそういう意図も考えられますが、「白くなった(雪で)」があるので、やはり印象としては「(雪が)溜まるような夜」という印象の方が強いです。「谷底」とか「人生のどん底」とか「底辺youtuber」とか、単純に位置的に低い所、階層の低さを指すこともありますが、「夜の底」という表現にそんな意図があるでしょうか。「国境の長いトンネル」というのは、何らかの境界で覆われているその地域へのほとんど唯一の入り口なんじゃないか。それは物語の入り口でもあり、つまり、「堺を越える」というテーマが冒頭から記されてるんじゃないか。※この有名な冒頭はしかし、後から書き足されたもののようですね。書き重ねていくうちにテーマがはっきりしてきて、もっとも効果的な冒頭を付け加えたという感じなのでしょうか。場面転換とはよく言ったもので、やっぱり「した」がつくことで舞台感というか、物質感があるんですよね。「腹の底」とか「心の底」とかの場合もありますけど使い方は限定的で、いずれにしても「溜まるもの」が連想されるもんじゃないのか。「青空の下とり行われる」、「白日の下にさらされる」という表現もあるけど、それは「した」じゃなくて「もと」と読むのが普通だと思うし、だからこそわざわざ「夜のした」という風にひらがなを使ってるのかなとも思う。「夜がもう少しで破れる」ってことは、「もうすぐ夜が明ける」ってことだと思うんだけど、「夜が明ける」というと希望を表す慣用的な表現になってしまう。ここでは「ああ、夜が破れてしまう」「この夜が過ぎ去ってしまう……」というもったいぶった感情があって、できればいつまでも夜のしたにわだかまっていたい感じ、ときが進むのが恐ろしい感じが強いのではないか(この感覚もなんかわかりますよね)。よって、「夜の底が白くなった」から僕が受け取る印象は、心情的な夜というよりは「容器としての夜」です。そうしてみていくと、「境界線」に関する表現が『雪国』には非常に多いように感じられるんだけども、正直『雪国』の内容についてはけっこう記憶があやふやなので、ここでは早々に『雪国』から離れて、町屋良平『青が破れる』の「夜のした」という表現について話を進めていきたい。もし仮に、作者(他の作品でも「夜のした」ってよく使うんですよね)もしくは『青が破れる』の主人公に「夜」が一種の膜のような、舞台装置のような物質的な印象を持っているとする。この「容器」という言葉についてもっと言えば、「四辺を何らかの境界で遮られている」という印象を持つこともできます。また、冒頭は文章だけでなく内容も印象的で、汽車に乗っている島村が、車窓ごしに向かいの席に座る葉子を眺め、その奥に流れる夕景色を不思議な気持ちで重ね合わせている。一連の物語を容器(ミニチュアの町みたいな?)を俯瞰する目と、汽車に乗ってその中に入りこんだ「水槽の中の生き物」的な目が溶け合って進んでいく。これが『雪国』の冒頭だと思う。破れるのが夜だということは、『青が破れる』の「青」はまさに「夜」のことを指しているということが分かる。というか確信はないけど検討がつく。そんで作品の最後の方では「まだ眠くない」って主人公が言うんですよね。なんかここで「夜のした」から抜け出したら破れてしまいそうな心情みたいなものが表現されてる気がして、タイトルと細かな表現が呼応しあってる感じがして、非常に感動した、という話です。「夜の底」と同じように「夜のした」という表現について考えてみると、やはり違和感はありますよね。というかタイトルの『青が破れる』についてる「破れる」という言葉のせいで、それが薄い膜、今にも破れそうな膜のようなものだという刷り込みが僕たち読者に行われている感がある。「夜のなか」「夜のはざま」とか言えば「時間的な夜」が表現できると思うけれど、「夜のした」というと、まるで「夜」という薄い膜があって、そのしたに潜り込んでいる印象がある。拵えられた夜というか、設置された夜。ではなぜ青なのかというと、きっと都会の夜ってのは「青い」んだろうなと田舎暮らしの僕なんかは思うわけです。田舎暮らしと言えば僕もずっと田舎にいるわけじゃないので都会の夜のことも少しは知っていて、その経験と照らし合わせてみても、都会の夜ってのは儚いくらいに薄く、青い。 『雪国』川端康成(著)、角川書店ほか12月の初め。親の遺産で自由気ままに暮らしている文筆家の主人公 島村は、汽車で雪国へと向かっていた。汽車の中で、病人の男を見かけ、彼に付き添う恋人のような若い娘に心を惹かれる。ふたりは、島村と同じ駅で降りていく。島村は妻子持ちでありながら、1年前に初めてこの温泉町に訪れたとき、芸者の駒子と出会い、親密な関係になる。島村は、駒子が芸者になったのは、駒子の踊りの … 02.03.22 国境の長いトンネル 川端康成の小説「雪国」の冒頭、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の「国境」を「コッキョウ」と読むか、「くにざかい」とよむかについては議論があるやに聞 … 川端康成の有名な小説『雪国』の冒頭には「国境」という言葉が出てきます。この漢字には読みが2種類ありますが、『雪国』に関してはどちらが正解なのか、いまだにわかっていないといいます。このような読みが2つある熟語は意外と多く、… All rights reserved.島村は温泉宿に何度か長期滞在し、駒子と惹かれあう。しかし、東京に妻子のある島村は、駒子と生活を共にしようと思ってはいなかった。小説を読んで、舞台となった場所に行ってみるのも楽しみ方のひとつですよね!川端康成の小説は、淡々としていますが、会話や描写のひとつひとつがとにかく美しく、真っ白な雪国を描くのにぴったりの言葉を使っている、という印象でした。惹かれ合っているのは確かなのですが、ともに生きる未来を描けない2人。その想いがひしひしと伝わってくるシーンです。火事になったのは、映画の上映会場になっていた小屋でした。火事を聞きつけた島村と駒子は、火事の現場に駆けつけます。このときの島村と駒子の会話がもどかしいのです。ちなみに冒頭は「夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。」と続きます。この雪国の美しさを、ぜひ読んでみてくださいね。そもそも『雪国』の内容を知らない方も多いのではないでしょうか?そもそもトンネルを抜けた先にある雪国ってどこなんだろう? と思ったことありませんか?行男が死んだのは、島村が東京へ帰る日のこと。駒子が駅まで送ってくれることになり、2人で駅に向かっている最中に、葉子が行男の危篤を知らせに来ます。それらをすべてまとめたものが、今私たちが読んでいる、長編『雪国』なんです。川端康成は、実際に湯沢町の旅館を訪れており、その経験をもとに『雪国』が執筆されました。川端康成の体験が色濃く出ている作品なのかもしれません。とても静かな物語。島村が湯沢温泉を訪れる、駒子と再会する、駒子のことを純粋でいい子だなぁと思う……というのが大きな流れになっています。妻子持ちでありながら、島村には親密な関係の女がいた。1年前に出会った、芸者の駒子だ。川端康成など、日本が誇る文豪たちの名作文学作品を集めました。これを機に、気になっていた文学を読んでみるのもおすすめです!湯沢町の歴史民俗資料館「雪国館」では、『雪国』の解説の展示や『雪国』をテーマにした日本画、ヒロイン駒子の部屋を再現したスペース、川端康成の着用していた着物など、さまざまなものが展示されているそうです。テキスト、画像等を他所でご使用になりたい場合は、ブックオフオンラインカスタマーセンターまでお問い合わせください。この冒頭は、有名すぎるほど有名ですが、みなさん間違って覚えていませんでしたか?
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