『百円の恋』の武正晴、足立紳のタッグが贈るコメディドラマ。大阪・堺を訪れた目利きの古物商・則夫は、腕は立つのにやる気を失った陶芸家・佐輔と出会う。ふたりは寂れた蔵で、利休の茶器の送り状と木箱を見つけ…。中井貴一、佐々木蔵之介がw主演。 ぐうたら女子が一人の男との出会いからボクサーとして成長していく青春映画を、低予算ながら見事に構築された物語で観客を歓喜に沸かせた「百円の恋」で、2016年日本アカデミー賞優秀作品賞並びに、最優秀脚本賞受賞という快挙を成し遂げた監督脚本コンビが、再びオリジナルストーリーでダメンズたちの再起をかけた物語を作り上げた。ここから互いの能力を認め合い、ここは協力して俺らを騙したあの骨董品店主と鑑定士に一泡吹かせてやろうぜ!とチーム結成!まぁこういう職業はちゃんとした値をつけないとお客さん来なくなっちゃう、信用がものをいう商売なわけで。それで人生躓いた則夫に同情してしまうというか。昔の情熱を次第に取り戻す佐輔。それを支える則夫。力を合わせて作り上げる茶器はきっと「本物よりも凄いモノ」になるはず。嘘八百から生まれたマコトとは一体どんなものなのか。新しい年の幕開けにふさわしい、極上の骨董ロマンをお宝コメディに仕上げた、開運エンターテインメント映画です。2人が仕掛けた一発逆転の大勝負は、樋渡や棚橋だけでなく文化庁をも巻き込み、前代未聞の大騒動に発展する、果たして人生の借りを返し、一獲千金の夢を叶えられるのか—。(HPより抜粋)その後利休にとって後ろ盾であった、秀吉の弟秀長が亡くなってしまったことで、利休は徐々に窮地に立たされます。ちなみにこの映画の感想はウソではありません。僕の本当の想いです。大したこと書けてませんがw佐輔は「骨董の事はわからない。これ一つでも車一台は買えると聞いている」と言って茶器を差し出す。則夫は名物に似せた贋物だと見抜き、売りつけた古美術店の名前を聞くと、茶器を譲り受けた。譲り状があれば茶器があるはず。はやる心を抑えながら蔵の中を探すと、ついに利休の形見の茶器が現れた。国宝級だ。馬面とラクダ面(失礼w)のコンビがどんな掛け合いをし、どんな一発逆転劇を見せてくれるのか。そこからどんなウソを並べたてダマしてくれるのか?非常に楽しみです!いやぁ~いい買い物した~!!と言っていたのもつかの間。中を開けると茶碗は入ってなく箱と書状だけ。あれ確かに茶碗は言ってたし、あの茶碗は本物だったよなぁ・・・。そんな枯れに枯れた中年二人が、家族を取り戻すために、自分の人生を取り戻すために、なくしたものを取り戻すために共闘して立ち向かう姿は、アクション映画でもよくある構図であり、こういうダメな男の再起をかけた姿、再生を描く姿をずっと撮り続けている監督に拍手を送りたいですね。監督の手持ちカメラでワンカットで見せるやり方や、佐輔が丹精込めて器を作る画も丁寧に描く技術は素晴らしいし、足立さんの脚本もちゃんと端にいる人物設定まで目を配り必要最低限だけ描いて、キチンと終着させる話の無駄のなさに今回も納得の出来でした。まだ夢に向かって一直線な時に評価され、ようやく一人前だと自信をつけたのに、フタを開けていればただ騙されていただけ。そんな夢と結果にぶら下がったまま年老いてしまった中年が、陶芸から足を洗えず、贋作ばかり作っているというのもどこか同情してしまうわけで。負け癖もついてしまっているからか、妻が出ていくといっても、今の自分を俯瞰で見ても全く悔しがらない佐輔に、自分だったら絶対いやなのにどこか愛おしく感じてしまう。俺もしかして枯れ専か?役者はそろった!あとはあの古狸2人にうまく言いくるめて競りに呼び出せば完璧。ざっくり言えば、安土桃山時代に茶人として信長や秀吉にかわいがられ、わび茶というお茶そのものを楽しむ道を作りながらも、影で秀吉を操っていた人物ってのが、一般的ですが、最後はどうなったのかってのはイマイチわからないって人も多いんじゃないでしょうか。何が本当何がウソなのかわからない世の中で、こういうウソもいいもんだ、と笑ってしまえる喜劇だったのではないでしょうか。ただこれはあくまで映画ですので、なるべく嘘は言いたくないもんですw再び佐輔に呼ばれ蔵の中を漁ると、値打ちの匂いがする書状を発見。値打ちのない茶碗なのに、高い値段で買ったという茶碗を譲ってもらい、その店に行っていちゃもんをつけいにいくと、こっちの目利きは本物だ、TVにも出てる大物鑑定士もそう言ってる、言いがかりも体外にしてくれ、と逆にいちゃもんを突けられる始末。今や大御所俳優としてあらゆる作品で存在感を発揮している「ぴっちり横分け鼻デカ兄さん」。利休形見の茶器の本物の<譲り状>と<箱>がある。だが肝心の<茶器>がない。則夫は一瞬でも自分の目を惑わせた佐輔の腕を見込み、一世一代の大勝負を持ち掛ける。「悔しかったら、やり返せよ。」実は則夫自身にも樋渡と棚橋に一杯食わされた過去があった。千利休の幻の茶器が発見されたという、ウソか誠かの真贋を巡る大騒動を、うだつの上がらない古物商と陶芸家の掛け合いを軸に、どんでん返しの一発逆転劇をユーモラスに描く。とはいえ、あくまでベースはいかにダマして吹っかけてのやり取りで、骨董品というものの目利きをすることに、いかに勉強しなければならないかが、則夫のセリフからも読み取れます。どの歴史にも精通してないと無理ですからね。まぁあれですよ、自分も仕事柄、商品に値をつけて買い取りそれ相応の値をつけて売るという点において、この則夫の職業とは近からず遠からずなわけで、それなりの親近感があります。決してダマすわけではないんですけどねw冒頭からダマしダマされが描かれているのがこの映画の最初の見どころ。秀吉のちっちゃい器のせいで死ななければならなかった利休。彼もまた茶を愛するがゆえに譲れないものがあったわけですが、やはり上には逆らえなかったってことですかね。にしても互いにプライド高いなぁ。独身俳優唯一の砦。彼が結婚したらどれだけの世の女性たちが悲しむのでしょうか。「蔵の中のもの全部、百万円で引き取りましょう。」すました顔で申し出ると、佐輔は快く応じた。翌朝、支払いを終え、お宝を積んだ車を上機嫌で走らせていると、ラジオから「油断大敵」の声。不安になって箱を開くと茶器は真っ赤なニセモノだった。明らかに嘘をついていると自分の目を疑わない則夫だが、それに論破できずへこんでしまう。と、こんな最後だったそうですが、本作ではこの直前に作った器を巡っての騙し合いというわけです。まぁ則夫はクライマックスでかなりのハッタリかましてますけども、かなりの弁が立たないと相手を説得できないですし、大変な職業だなぁと。原作コミックや小説が映画になるのがほとんどの中、オリジナル作品にこだわって悪品を作り続ける数少ない監督。お宝でっか?と顔を覗き込む絹田に対し、則夫は百姓一揆の書状だと嘘をつく。もう一人の主演である、売れない陶芸家・野田佐輔を演じるのは佐々木蔵之介。そして佐輔も物を作る仕事という点においての苦労もちゃんと描かれていいるのがこの映画のいいことろ。秀吉の独りよがりなやり方は徐々に強まり、ついには上下関係をはっきりさせるべく利休を自宅謹慎にして、誤りに来させようと計らいますが、利休はこれを拒否して自宅から出なかったそうです。そういう場合中々予算がもらえないのが、現在の日本の映画産業の欠点なんですが、金なんかかけなくてもいい映画は作れる!と示してくれたのが「百円の恋」だったと思うんです。これ全部譲ってくれたら100万でいいよ、という問いにあっさり承諾する絹田。秀吉の怒りも頂点に達し、ついには利休に切腹を命じます。それに応じ利休は切腹し死んでしまうのでした。蔵のある家を探しながらうろうろしている則夫は、ラジオの占い通り西に向かい、見事にお宝が眠っていそうな家を発見。娘を使って隙を作る計算も見事にあたり、早速お邪魔します。若年層にはあまりウケそうにない、このポスターの感じ。しかもお宝コメディ?骨董品?益々ウケないじゃないか!派手好きな秀吉と、渋くて素朴なものを好む利休の間に次第に溝が生まれていったそうです。そして貿易の利益を独占しようと堺の町に圧力をかけていく秀吉に対し、それを煩わしく思っていた利休。愛弟子も口のきき方がなってねえ!!って理由で秀吉に殺されてしまうというショッキング出来事も重なり、ますます関係は悪化。いい年して仲良く暮らしている兄弟の平凡だけどささやかな日常に満たされる人情コメディで、本作にも出演しているドランクドラゴンの塚地武雅と兄弟役で出演しています。急いで戻ると絹田はいない。代わりに別の老人。なんとその人こそ絹田であり、立ち会った人物はただの留守番だった!まさに狸が狐につままれたのです。あえて言うなら今度は王道のネタでいってほしいですね、全く知識が無くても楽しめるとはいえ、興味のない世界の話なので中々セリフ理解できない部分もあり、そこが残念だったなぁと。あくまで俺が悪いんですがw筆跡鑑定もダマしてしまう腕を持ち、その腕で店にディカプリオのサインまで飾っている居酒屋の店主、紙を舐めればどれだけの価値があるかひと味でわかる阪神ファンの表具屋の親父、同じく阪神ファンでどんな箱でも簡単に作ってしまう材木屋、そして今となっては贋作ばかり作っているが、一瞬でも則夫の目を騙したほど腕のある陶芸家、絹田改め佐輔。くさっていると佐輔からの電話。屋敷に再び呼ばれた則夫は、書状を見せられ絶句する。利休直筆の譲り状だ。「お宝でっか?」と尋ねる佐輔にしらばくれる則夫。今回主人公2人が作ったのは千利休が最後に作ったとされる茶碗だったのですが、そもそも千利休ってどんな人だったっけ?ってことで軽く調べてみました。実際にそんな器が存在するのかわかりませんが、物語では死を覚悟した利休がようやく自分が求めていた場所を大海原の上を飛ぶカモメに例えて読んだ俳句が詠われており、主人公の二人もまた、次の舞台へと足を運ぶ姿をカモメに例えた画で幕を閉じるという、利休の最期と重ねた流れになっていました。

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