制御工学の基礎と、制御工学に必要な物理、数学についてあれこれ解りやすく説明していきます。具体的には、pid制御や現代制御、伝達関数。またrc回路などの電気回路、確率統計についても説明していき … 制御工学ではどんなことをするのか 制御対象のとらえ方. 制御工学(せいぎょこうがく、英:control engineering)とは、入力および出力を持つシステムにおいて、その(状態変数ないし)出力を自由に制御する方法全般にかかわる学問分野を指す。主にフィードバック制御を対象にした工学である。
完結に述べれば制御とは、対象を思い通りに動作させる仕組みのようなものです。制御工学とは、その仕組みをどのように作り上げるかということを議論した体系であると言えます。例えば、人を検知したら自動で電気をつけるようなシステムにも何らかの制御が入っております。具体的にはセンサーの値を読み取り、その値が何らかの数値となったときに電気を点けるような命令を発信し、しばらく点灯を続けた後にセンサーの値の変化が一定時間得られなければ消灯するような仕組みが考えられます。この場合には制御器が見ているのは、目標値と出力値の差(しかも出力値というのは外乱も加味されている)です。この値が$0$になってくれることを目指して、$u(t)$をゴニョゴニョと決定するのが制御器の役割ということになります。現在、制御というのは電子的に達成されており、コンピュータを用いてデジタルに取り扱われています(昔は本当にアナログ回路を使ったり、マス・バネ・ダンパを使ったりして、望みの制御器をアナログに実装していた)。すなわち、コンピュータが値を検出するサイクルによって必ず遅れが生じるのです。これら3つの観点を踏まえながら、ロボットアームのモータにどの程度の電圧を与えてやれば(電圧は強くしたり弱くしたりする必要があるだろう)目標の位置へ手先が移動してくれるのかを考えるのが制御設計ということになります。こちらの議論では微分方程式を考えることが代数方程式を考えることにすり替わり、取扱が非常に楽になります。また、「周波数応答」という概念を考え、制御設計をより詳細に行う手がかりも得られます。制御理論自体は長らくアナログの世界で発展してきたため、どうやらディジタルで制御をしなければならないという現実と照らし合わせた場合の不整合にも注意が必要です。例えば抵抗が1つだけ繋いである回路を想像すると、電圧を与えれば電流が得られますし、電圧を与えなければ電流は流れません。電圧を入力、電流を出力だと思えば、抵抗のみが繋いである回路は静的システムと言えます。ここでは、「対象を思い通りに操作する」ということを幾つかの観点に分けて説明します。更に基本的な部分に立ち返ってみると、電圧をあれこれ操作したところで、ロボットアームは思い通りの位置に移動してくれるのでしょうか。例えば腕の長さが30cmだとしましょう。さて、現在の位置から100cm離れたところに腕を伸ばすための制御を考えてください。無理ですね。もしもこれが可能ならば、フィードバック制御は基本的に必要ないということになります。しかし、実際のシステムにおいては「ロボットアームの微分方程式を寸分の狂いもなく把握しておき、その逆システムを構築する」ということは困難を極めます。なぜなら、仮にロボットアームを自分で設計・製作していたとしても、実用時には外乱が混じっており、想定していた動きと異なる場合があるためです。ちなみに、このような制御を考える場合には「フィードフォワード制御」と呼ぶのが一般的です。例えばロボットアームの手先をとある位置に移動したい時、とある位置にゆっくりゆっくり近づいていき、正確な場所でピタリと止まってくれればそれで良いのでしょうか?できれば、素早くとある位置までロボットアームの手先が移動してくれる方が嬉しいのではないでしょうか?一方で動的システムでは、過去の状態に依存して現在の状態が決まります。このようなシステムでは一瞬だけ入力$x$をシステムに与えて、その後入力を切ってしまっても、何らかの値$y$が出力され続けたりします。バネに繋がれた物体なども動的システムです。例えば一瞬だけ物体に対して外力を与えてやれば、バネにつながれた物体は(その後外力を取り除いても)揺れ続けることが想像できるでしょう。自分が勉強していく上で学んだことなどをまとめていきたいと思います。今回はザッと制御についてお話をしました。実はここでは結構大事なことを省いていたりします。その際には制御器であったり、あるいはシステムの構造であったりを手当たり次第に試行錯誤するというわけにはいきません(PID制御は完成された一つの方法であるため、実際にはパラメータを試行錯誤的に決めているに等しいですが、それでも各パラメータの役割くらい把握したいところです)。対象を思い通りに動かすための体系を考えるのが制御理論の役割です。例えば、今回はあたかもロボットアームの手先を思い通りに操作できるという前提で話を進めました。実際には、上手く制御器を設計したとしても、それが本当に「思い通りに操作できた」と言えるのかはマチマチです。フィードバックを使わない制御を考えることで、フィードバック制御の有用性を理解できるはずです。この図によれば、目標値$r(t)$を与えると、その$r(t)$を考慮して制御器が$u(t)$を決定し、ロボットアームの手先を$y(t)$としてくれるということです。そして制御の目的はロボットアームの手先$y(t)$を目標値$r(t)$へ一致させることでしたから、制御器はロボットアームと入出力関係を逆転したものになっていなければなりません。コレは簡単に言えば「指数関数の微分は簡単」、「線形微分方程式の解は指数関数の線形結合で書ける」ということに着目して、「どのような指数関数がどのような重みで結合されているのか」に議論をすり替えるテクニックのようなものとしてとりあえず見ておくと良いように思います。そこでフィードバック制御の出番となります。フィードバック制御では、出力の値を何らかの方法で検出し、その検出したい値を使って上手く制御を行おうと試みます。下記の図では、検出器(こいつは$y(t)$を物理的に取り出す装置のようなもので、値を変換したりはしない。よってわざわざ書かなくても良いかもしれない)が$y(t)$を取り出して、制御器の前まで値を持ってきている様子を表しています。さて、ロボットアームが目標の位置を通り越したら戻ってこなければなりません。行き過ぎる量を小さくしても、僅かに目標の位置からずれながら振動的に行ったり来たりしているようでは、ちゃんと手先が定まらないので、これも制御を考える上で重要な観点となります。上記の考えに基づいて最も活用されているフィードバック制御器として「PID制御器」があります。これはザッと下記の記事で解説しているので、是非参考にしてください。典型的には$$d(t) = r(t)-y(t)$$のような値を算出しておき、この$d(t)$(すなわち、目標値と出力値の差)を制御器に与えて制御入力$u(t)$を決定するようにする方式が考えられます。すると制御器は「フィードバック制御を用いない制御(フィードフォワード制御)」のときとは異なり、ロボットアームの逆システムということではなくなります。言ってしまえば、ロボットアームのシステムを寸分の狂いもなく完全に把握する必要性が取り払えるかもしれないということです。いきなり何のことかよくわからないと思われますが、例えば入力$x$に対して出力$y=ax$となるようなシステムは動的システムとは言いません。これは、現時点の入力のみに依存して出力が決まる「静的システム」と呼ばれるものです。$y=ax$というシステムにおいては、常に$x$が$a$倍だけされて出力されることになります。制御設計ではシミュレーションによって理論と現実の折り合いを付けていくのが一般的です。まずフィードバックを使わない制御というのは下記のような構造になっていると思われます。この図は目標の手先位置を指示してやれば、制御器が上手く電圧を決めてくれて、ロボットアームの手先を思い通りに動作させてくれることを期待する図です。この世界には様々な工業製品が溢れかえっており、それらほぼ全てに「制御」が導入されています。制御理論は言わば(線形)微分方程式をゴチャゴチャ弄って、その解の形を操作する学問であるとも言えます(非線形制御理論もありますが)。そして、線形微分方程式を簡単に操作するツールとして「ラプラス変換」を用います。これならば無理と分かりやすいのですが、より複雑なモデルでは、行ったり来たりを繰り返して、全く目標値に到達できなかったりするということも考えられます。つまり、そもそもシステム上、今やりたい制御が達成できるのか否かということを十分に吟味しなければなりません。これは言わば、目標値$r(t)$に出力値$y(t)$を収束させるような制御器が存在するのかを考えるということです(実際は、特定の範疇のみを扱っている限りは、だいたい制御自体は可能だが、上述の要件を上手いこと調整することはいつでも必要である)。今回は制御工学の基本的な考え方、そして制御工学の基本となるフィードバック制御の意義について完結にまとめておきます。さて、ロボットアームの例を続けましょう。素早く手先を目標の位置に移動しようと焦るあまり、目標の位置を通り越してしまうということも起こってしまうでしょう。通り越しても戻って来れば良いと言うのであれば問題ありませんが、実質、通り越してから戻ってくるために使った電力は単なる無駄でしかありません。特に難しい議論は行いませんが、制御工学の言葉を(多少ごまかしながらも)完結に説明しながら使っていきます。また数式も天下り的に与えます。数式の意味がわからなくとも、説明を見てそういうもんだくらいに思ってもらうだけで、一応制御工学の動機などは把握できるかなと思われます。下の図ではロボットアームに対して外乱$w(t)$が混ざり込むせいで、$u(t)\rightarrow r(t)$と思い通りに変換されず$u(t)\rightarrow r_(t)$と別の値になってしまう様子を表しています。また、外乱$w(t)$がロボットアームの出力に対して混ざり込むのか(つまり手先がブレるのか)、あるいは入力に対して混ざり込むのか(電圧がぶれてしまうのか)など、影響している部位を特定することも通常は容易ではありません。更に、理論上、制御器のとある値を「100」にしておけば良い!という場合においても、その「100」という数字が物理的にどのような量であるのかを考えると、現実的にはそれができないということもあります。例えば、フィードバックで「比例制御」を入れる場合、「検出された値を『無限倍』するのが理論的に最も性能が良い」という結果が得られてしまったりしますが、当然、検出したものは電圧であったり速度であったり、何らかの物理量であるため、これを無限にすることは不可能です。
システム制御工学とは.
制御とは、 対象のシステムを思い通りに操ること です。 今回は制御工学の基本的な考え方、そして制御工学の基本となるフィードバック制御の意義について完結にまとめておきます。特に難しい議論は行いませんが、制御工学の言葉を(多少ごまかしながらも)完結に説明しながら使っていきます。また数式も天下り的に与えます。数式の意味がわからなくとも、説明を見てそういうもんだくらいに思ってもらうだけで、一応制御工学の動機などは把握できるかなと思われます。制御工学を知っている方は優しい目で見守ってください。
制御工学(制御理論)の基礎. ここからは、第3章 「制御工学 入門」です。制御工学(制御理論、自動制御、フィードバック制御とも言う)とは、入力と出力の関係を表す「伝達関数」と呼ばれる関数を用いて、その入出力システムの挙動や安定性を評価するものです。 制御工学(2, 3系) Control Engineering 担当:福村 直博(3系) Naohiro Fukumura 部屋:F-408 電話:0532-44-6884 E-Mail: fukumura@cs.tut.ac.jp 制御工学では、制御理論という考え方に基づいていろんなものを制御します。 (文字にすると「頭痛が痛い」みたいでなんだかくどいですね…笑)
システム制御工学 - 制御系設計の基礎 - 古 田 一 雄 フィードバック制御系の設計とは 特定の制御対象が与えられたとき、制御系が望 ましい応答特性を示すような制御器を求める作業 n いかなる入力に対しても安定 n 定常偏差ができるだけ小さい 2自由度振動系は一般的なモデルであるため、様々な制御対象に応用が可能であると考えています。機械系やロボット系に関係する方にとって、この制御工学の内容は避けては通れないものです。これにより、次に示すようにシステムが複雑化し、制御が難しくなることが考えられます。その結果、何をしているのかよく分からなくなるという問題もあると思います。2自由度系を通して、システム制御で必要となる基本的な制御工学論の知識を理解することを目的とします。2自由度振動系とは、その名の通り2つの自由度を持ち振動するシステムのことです。制御工学は、ロボットや機械を自由に動かすために重要で必要となる学問です。加えて、本シリーズで取り扱う2自由度振動系についても紹介します。そこで、本シリーズで学ぶ制御工学の知識を活かして2自由度系の制御を実現します。どれも重要な知識ですが、結果的に与えられる情報量が多すぎて頭が混乱するという問題が出てきます。まず始めにシステム制御工学における制御とは何なのかについて紹介します。加えて、互いに質量の運動が影響しあうため、これらの作用も考慮する必要があります。そのため質量1を目標通りに動かしても、質量2が同様に動くとは限りません。加えて、システムが単純である1自由度系の時はまだ理解できたけど、2自由度系以上になると使用する数式が複雑になってくる。このような多自由度系では、位置を制御したい質量に間接的に与えられる力を考慮する必要があります。そのため、比較的イメージがしやすくシンプルに対象を制御することが出来ます。Arduinoで明暗センサ付きライトを作ろう!光センサでLEDの明るさを...本シリーズで取り扱う2自由度振動系モデルでは、質量1に力を与えて質量2の位置を制御します。本シリーズでは、2自由度振動系の制御を通して制御工学の基礎知識を学びます。次回以降では、この2自由度振動系モデルを用いて制御工学の基礎知識を学んでいきます。また、制御対象をモデル化した際に生じる誤差や、外乱による誤差に対しても強くなるという利点があります。一方で、質量が2つ以上(複数個)あるシステムを多自由度系を言います。まず、制御工学を学ぶ中では、様々な理論に対し色々なシステムが紹介されます。システムに含まれる質量が1つのみである場合、そのシステムは1自由度系となります。この1自由度系を制御する場合、位置を制御したい質量に力を直接与えることで制御を行います。フィードバック制御では、制御に目標値と現在値(測定値)の差を使用します。例えば、質量1に与えられた力により動かされる質量2の位置などです。この目標値と測定値の差を基に、制御器で制御対象の操作量を決定します。また、本シリーズで取り扱う2自由度振動系についても説明しました。そこで本シリーズでは、2自由度振動系をシリーズを通して取り扱います。シリーズ第1回の本記事では、制御工学理論についての基本知識と、なぜ制御工学理論が重要かという点を説明します。また、直接制御したい質量に力を与えないことも2自由度系の制御を難しくしています。現代制御は、多入力多出力のシステムを表せることで、複雑な制御対象の制御に用いられています。このフィードバック制御により、制御対象を目標値にそって制御することが可能になります。本シリーズで取り扱うモデルは、2つの質量を含んでいるため2自由度系となります。コントローラを設計することで、思い通りに対象のシステムを操ることを実現します。2自由度系(他自由度系)では、もちろんそれぞれの質量に対して力と運動の関係を考える必要があります。古典制御としては、PID制御が広く知られており、今でも様々な分野で用いられています。
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