「より良く創造的に生きること」をテーマに心理学や読書のまとめと要約、ゲームレビューやアート・デザインに関する知識を知的好奇心の赴くままにまとめています。総じて、本書の「ホモサピエンスが世界を征服できたのは想像力にあり、生み出した虚構を集団で信じられることにある」というのは世界を捉える上で大きな視点を提供してくれました。貨幣も、法律も、宗教も、社会制度も性別役割や階級も、私たちが暗黙の前提としていることは全て人類が想像した虚構に過ぎず、実際には存在しないものです。その実際には存在しないものを、みんなであたかも存在するように考え、仮定し、信頼し、行動原理とすることで見ず知らずの人達と協力関係が出来ました。宗教が人々にもたらした争いはとても大規模なもので、人類史を見れば神学上のいざこざで膨大な数の人々が亡くなっています。神の名の下に人は行動を正当化し、自らの正義のために侵略や戦争が行われるようになりました。資本主義には問題点も多いけれど、私たちはもう資本主義なしには生きられない世界で生きています。序盤から日本人には馴染みのない宗教の話。宗教は統治ツールとして権力者と結びつき、人類の作った虚構の中でもひときわ強力な秩序を人類にもたらしました。人が持つ最も強力な力である想像力。そこから産まれる物語の力。本書を読むことで人類が今にいたるまでの大きな道のりを追体験することができます。お勧めです。大航海時代の「空白の地図」のくだりも印象深いです。ヨーロッパから見てアメリカ大陸を最初に発見したのはコロンブスですが、彼は当時の「細部まで埋められた地図」を正しいと思い込んでいたのでインドに到着したと信じ、現地民をインディアンと名付けました。一方で探検家のアメリゴ・ヴェスプッチはアメリカ大陸のことを「空白の地図」の新大陸であると考えたため(自身の無知を認めたため)、その後の地図製作業者から彼の名を取ってアメリカ大陸という名前が付けられました。「自分は知らない」ことを認める態度が彼に大陸の名前の栄誉を与えることになりました。他にもコルテスのアステカ征服の記述もあり、ドラマを感じさせます。上巻と比べると下巻は帝国主義や資本主義、科学技術といった抽象的な小難しい概念の話がメインです。そのため冗長な表現も感じられ、最後まで読み進めるのに苦労しました。内容はどれも知的好奇心を刺激して面白かったです。下巻は考えさせられる事が多く、一気読みは出来ずじっくりと腰を据える感じで読みすすめました。植民地化と同時に科学者も現地に送られ数多くの知識や技術が世界に広まりました。帝国側は常に新しい知識や科学技術を産みだし、自らの征服活動については未開の地に科学技術(進歩)をもたらしていると自分を正当化していました。帝国主義は学問の発展に大きく寄与した一方で、現地民との衝突や紛争、土着の信仰や文化は大きく破壊されました。 「サピエンス全史」上下巻の内容を3分で分かるように、図解を用いて、紹介します。サピエンス全史は、2017年のビジネス書大賞を受賞した作品です。興味を持っている方も多いとは思いますが、上下巻合わせて約600ページの大作なのでなかなか読みた.. 本書の冒頭は人類と切っても切り離せない宗教についての話です。「宗教は超人間的な秩序の信奉に基づく、人間の規範と価値観の制度」で、虚構に生きる人間たちにとって宗教は多種多様な民族を治めるための統治ツールでした。社会の階層構造やヒエラルキーが生まれるにつれ、上に立つ者は自らの立ち位置の正当性を宗教に求めました。広大で多種多様な人々を統治するには、人間を超えたもの=超人間的な存在を想定する必要がありました。「人を超えた存在」なので、誰もがその物語を信じる可能性 … 鳥瞰した視点で人類史の幅広い見識を得られる歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリさんの「サピエンス全史」。前回の上巻に引き続き今回は下巻のまとめです。上巻は古代まで遡りホモ・サピエンスが生き残ったのは現実には存在しない虚構を集団 […] サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 上巻と同様、人類の歴史を知ることで「自分はいったい何者なのか」「自分のこの価値観は、どこからきたものなのか」を見つける手掛かりをたくさん提供してくれる書籍でした。 今回は、ユヴァルノアハラリ氏を世界レベルの著名人へと押し上げた、サピエンス全史について書きます。 氏の著書で翻訳されているものは、マクロな歴史を描いた「サピエンス全史」、強大な力を手にし … 普段からよく本を読む人にとってもそれなりに有用なレビューになっていると思う。 ではさっそく紹介に入る。目次をつけるので、気になった書籍から見ていってほしい。 目次. ずっと読みたかったサピエンス全史(上・下)について簡単にまとめました。5分程度読んで頂ければ、十分に理解頂けるように簡単にまとめたつもりです。 有名な3つの遺伝子検査キットを徹底比較します。そして「マイコード」の購入から使い方、結果の見方、感想...簡単にまとめてしまいましたが、実際に本を読むと一文一文が丁寧で、エキサイティングです。著者名:すぐる「機械学習、AI、ディープラーニングのプログラミングを解説」ブログ、著者のすぐると申します。脳科学、心...これら6種類の人種は、火を扱うことを覚え、他の生物よりも強い力を手に入れ、ひ弱な身体能力にもかかわらず、アフリカ大陸から地球上に進出していきました。次に解決する問いは「数百人レベルの集団から、どのようにして数千人レベルの都市や国家を形成できるようになったのか?」です。目の前の現実は一切変わらないのに、出身地という概念(一種の空想的虚構)を介して、心理的距離が縮まっています。ただし、この成長はアフリカや南北アメリカ、インドなどの搾取された側の犠牲のもとに成り立ったことも忘れてはいけません。しかし、いまから約3万年前に、複雑な言語と空想的思考(原始的信仰)を可能にする脳を手に入れました。脳機能計測で博士号を取得した著者が「脳科学×AI」という切り口で、プログラミングやビジネス、人材育成について、私見をつづります。1つ目のパートでは、約10万年前はホモ・サピエンス以外にも、ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)など、複数種類の原人(人種)がいたなかで、なぜホモ・サピエンスだけが生き残ったのかを説明しています。別の言い方をすると、なぜホモ・サピエンスは他の5種類の人種を滅ぼせたのでしょうか?ですが、なぜその6種類のなかで、なぜホモ・サピエンスのみが生き残ったでしょうか?ホモ・サピエンスは他の5種に比べて身体能力が低く、なかなかアフリカ大陸から進出できませんでした。科学革命を契機に、資本主義経済や民主主義政治の種が芽生え、それが成長して現在の世界へとつながっています。しかしひとつの場所に定住することによって、女性は毎年赤ちゃんを産むことが可能になりました。また、株式市場ができることで、銀行以外の人々も投資ができるようになりました。その必要性から文字(書記体系)と原始的法律(ハムラビ法典など)が生まれ、より強固に集団を維持することを可能としました。その根本的理由を、農業・畜産業の発達による「農業革命」であるとしています。その結果、イギリスの東インド会社のように、大きな株式会社が生まれるようになりました。またこれら3つの革命が起こせた理由として、「空想的虚構」を挙げています。「サピエンス全史」上下巻の内容を3分で分かるように、図解を用いて、紹介します。また、同じ民族神話を共有することで、数千人単位の集団を維持することが可能となりました。空想的虚構によって、サピエンスは大集団を形成・維持し、発展していくことができました。約10万年前、地球上には、アウストラロピテクスを先祖にもつ、少なくても6種類のホモ属の人種が存在しました。最後に3つ目のパートでは、西暦1500年ごろには世界人口が5億人程度であったサピエンスが、500年後の2000年代に70億人にも増加し、現代の国家、資本主義、民主主義的な体制がどのようにして生まれたのかについて説明しています。ですが、あるときお互いに同じ市の出身であったと分かると、突然距離が縮まって、仲良くなり親近感がわきます。TEDから「AI・機械学習・ディープラーニング関連」のおすすめ動画を紹介します。これらの動画を見れば、現在のAIの可能性や問...手元には200万円しかないのですが、Cさんが航海でたくさんの砂糖や資源を手に入れて帰ってくれば、500万円以上を返してもらい、銀行はAさん、Bさんが合計200万年を引き出しても銀行には300万円以上のお金が残ります。本サイトでは、2017年の「ビジネス書籍、副大賞」のライフシフトも図解まとめしています。合わせてご覧ください。ルネサンスを契機にヨーロッパ諸国では近代科学が発展するとともに、地球が平らでなく球体で、想像以上に広いことが明らかになりました。これが貨幣の信用創造をベースとした投資システム、資本主義です。ロジカルシンキングは突き詰めていくと、最終的にその人の人間性、思いやり、禅の心にたどり着くというお話をします...誤解している方もいますが、サピエンスはネアンデルタール人から進化したのではなく、異なる種です。神の領域へと踏み込んだ人間の進化は、この先、いったいどこに行くのか?このようなDNAの進化ではなく、複雑な言語と原始的信仰という空想的虚構によって、サピエンスが大きな力を手に入れたプロセスを「認知革命」と呼びます。「STEM教育」の各文字の意味と重要性、今後必修化されるプログラミングとの関係について紹介します。...興味を持っている方も多いとは思いますが、上下巻合わせて約600ページの大作なのでなかなか読みたくても手が出ない人が多いと思います。内容のネタバレとなるので、一切中身を知りたくないという人は本記事を見ないようにしてください。そこで本記事では、サピエンス全史の内容を要約まとめし、その内容を読んだ気になれるようにお伝えします。本当に幸せとは何かについて、サピエンス全史の最後の章では考察しています。さらに、農業では来年の種となる分を収穫量から保管したり、飢饉にそなえて、備蓄する必要があります。次に解決する問いは、なぜ1500年ごろには世界人口が5億人程度であったサピエンスが、500年後の2000年代に70億人まで増えて繁栄できているのかです。(※本当は貸し出したお金の一部もまた預かるので循環してもっと増えます)あたかも旧約聖書で神が生物をつくりあげたかのように、自然界には存在しなった遺伝子改変の農作物をはじめ、人間が生物を創り上げることが可能になりました。「空想的虚構で集団が維持できる」とは分かりにくいと思いますので、例を挙げて説明します。このように実際には存在しないもの(空想的虚構)を介して、サピエンスは1対1では心の距離を縮めることができ、集団レベルでは、より大きな集団を形成することができます。農業革命を契機に民族神話、宗教と文字、原始的法律という空想的虚構を構築することによって、サピエンスはより大人数の集団を維持することを可能にし、古代エジプト文明から中世の国家までの社会を生み出すことに成功しました。空想的虚構とは、「実際には存在しないが広く信じられる空想、想像上の産物」のことです。ですが、Cさんひとりにお金を預け、ひとつの航海に賭けてしまうと、失敗したときに大変な損害をこうむります。これは別に目の前に現金や食物という実物が現れて、それで協力しようとしたわけではありません。一方でホモ・サピエンスは複雑な言語と空想的思考によって、大きな社会集団を形成し、集団の知恵によって、協力・共創することで環境に適用し、他の種よりも強くなって、他の人種や動物を滅ぼしながら、世界中へと広がりました。スマホやケータイの通信手法の新たな形式「5G通信」について紹介します。【図解:3分で解説】シ...複雑な言語を持たないネアンデルタール人はせいぜい50人程度の集団で行動していました。論理的文章の書き方、ロジカルライティングの方法とおすすめ本を紹介|問題解決能力⑥銀行の「貨幣の信用創造」は、AさんとBさんから100万円ずつ預かったときに、ふたりが突然200万円を引き出すことはないだろうとして、航海家のCさんに500万円を貸し出すシステムです。2つ目のパートでは、数百人程度の集団を構成して生活していたホモ・サピエンスが、約1万年前からなぜ数千人規模の都市や国家を生み出せるようになったのかを説明しています。原始宗教からより発達した民族神話は、人間の間に支配階級と労働階級があることを理由付ける役割がありました。私たちホモ・サピエンスのほかに、ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)などです。私たちは知らない人と出会って会話をしていると、心理的に距離があります。そうすることで銀行は、リスクを分散することが可能になりました。超長寿化し、AIが発達したこれからの社会で生きていくのに必要とされる能力を紹介します。様々な...ですが、ドイツのシュターデル洞窟で発見されたサピエンスによって作られたライオン人間像(頭がライオンで身体が人)は、このような空想的な思考をホモ・サピエンスが可能にしていたことを示しています。そのような投資活動を可能にするために、銀行システム、とくに「貨幣の信用創造」が機能し始めました。サピエンス全史は私たち人間(ホモ・サピエンス)が地球上に現れてから、今日の人口70億人となり、現代社会を築き上げた要因を分析して解説する作品です。「ワーク・シフト」の要点を3分で分かるよう図解で紹介します。ワーク・シフトってとても有名な本...こうした管理業務を行う人間は、作業する人間とは異なる支配階級の人間となりました。一方でサピエンスは、複雑な言語と空想的思考(原始的信仰)により、社会集団の共通の要素を生み出すことに成功しました。さらに、数千人単位の集団では、物々交換ややり取りが非常に複雑になり、それをきちんと記録に残す必要とルール(法律)を整備する必要がありました。これまで生物はDNAによる突然変異と自然淘汰によって環境に適用し、より強い存在へと進化してきました。そこで、Cさんはたくさんの人から少しずつ投資してもらうように、航海を株式会社化しました。サピエンス全史は、2017年のビジネス書大賞を受賞した作品です。「ライフ・シフト」の要点を3分で分かるよう図解で紹介します。ライフ・シフトは、「ワーク・シフ...以上の流れにより、ヨーロッパが世界中がつながり、砂糖や胡椒などさまざまな資源が使えるようになり、科学の発展とあいまって、生活が豊かになり、より多くの人口を抱えることが可能になりました。その結果、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人たちに対して、数の多さを生かした集団的戦略で打ち勝ち、滅ぼしたのだと想像されます。21世紀に入り、人間は生物の遺伝子を直接扱えるようになりました。それまでの狩猟生活ではたくさん移動するので、年子で生まれたりすると、赤子の面倒をみきれませんでした。「博士課程への進学か、それとも就職か」を悩んでいる人に回答します。私もいろいろ悩んだ結果、博...今から約1万年前、人類は農業により特定の植物を育てて収穫するという行為を覚えました成長時代に突入すると、将来は今より豊かになるとみんなが信じて投資活動が盛んになります。そしてこの共通要素のおかげで500人以上の秩序ある集団を構成することができました。近代科学の発展と大航海時代の始まりは、人々の生活レベルの向上へとつながり、成長時代に突入します。これはある日突然できるようになったのではなく、数世代にわたって徐々に浸透しました。
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